芸能人格付けチェックから感じたこと
2024年になりました。お正月の定番番組「芸能人格付けチェック」を見て、
感じたことを記したいと思います。
どっちも美味しいから難しい
最高級のワインは「シャトー・ル・パン」1995年ビンテージです。
フランスはボルドー地方ポムロール地区のもの、年間生産量は約7,000本という希少なワイン。
使っているぶどう品種は「メルロー種」主体です。
メルローはフランスボルドー地方が原産地で、世界中で栽培されており、
カベルネソーヴィニヨンに並ぶ人気の品種です。その特徴は、やわらかくてまろやかな味わい、
渋みはまろやかで飲みやすいことです。香りは濃い色のフルーツ、ブルーベリーやプルーン、
カシスなど熟成した香りを持っています。
一方、不正解の5,000円のワインの銘柄は不明ですが、恐らく同じボルドー産でメルロー主体のものでしょう。同じ地域ということはざっくり育った環境が似ているから、
似たような特徴を持つはずです。
ただル・パンは約28年も熟成しているのに対して、もう一本はおそらく熟成年数はさほど経っておらず
一般的に若いワインと言えるでしょう。
格付けのワインをみていつも感じるのは、不正解といっても1本5,000円もするのですから、
基本、美味しいんです。普段赤ワインを飲みなれている人からすると
「果実味があって、ふくよかで、渋みもあって総合的においしい」
つまり、バランスがいいワインなはずで、普通に美味しいワインだといえます。
だから、その人にとって美味しいワインを選ぶわけで、当てるのは難しいといえるでしょう。
正解した人がしていたこと
正解した方がしていたことは、デキャンタから注ぐところを注視していました。
何を見ていたかというと、まず色です。熟成しているワインは色でわかります。
そしてデキャンタから注がれるときの香りをチェックしていました。ワインの色あいは、
その熟成度合によって赤ワインであれば
紫がかった赤、ルビー色→サーモンピンクやオレンジといった色あい→茶色のトーンがでてきます。
ですから、どんな色かでおおよその熟成度合を見ようとしていたのでしょう。
ル・パンは約30年の熟成ですから恐らく茶褐色の色合いがでていたはずです。
一方のボルドーワインはテレビの画面から、
濃いルビー色、少しボトルのふちが紫がかって見えました。
香りはというと、熟成しているワインをレストランで提供するときは、
予めワインボトルからデキャンタ(ガラスの容器)に移し空気と触れさせることで
香りを立ちやすくするので、こちらもどんな香りかで推測はできるでしょう。
一般的にワインの香りはその熟成度合によって3段階の変化をとげます。
若いワインは果実そのものがメイン、その次に発酵の香り、最後に熟成の香りが強くなってきます。
これはある程度ワインを勉強していないとわからないことかもしれません。
ワインを味わうコツは
このワインはどんなワインだろう?と思いながらワインを味わって頂きたいのです。
どこの国でどんな環境で育ち、どのくらい熟成されていたか。
私は想像するだけで楽しくなります。
ぜひ、正解者がしていたことを「まねっこ」して楽しんでほしいと思います。
ぶどう本来の色あい、香りがどんなものか、赤ワインなら渋み、
白ワインなら酸味はどうかなど観察してみてください。
世の中にいろんなお酒がありますが、ワインだけは水を使わず醸造するお酒です。
つまり、ぶどうの果実だけで作るお酒、だからぶどう本来の味わいや特徴がでてくるのです。
最近はお手頃価格で美味しいものがたくさん出回っています。
「へぇ、そうなんだ」と、気軽にスーパーマーケットやコンビニエンスストアで
売っているワインで楽しんでほしいと思います。
日に新たに、日々に新たなり