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「ワインに氷」は不適切か?!

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週末から急に汗ばむ陽気になってきました。春を飛び越えて夏が来たような印象を受けます。
こんな暑い日は冷たい飲み物が欲しくなります。

 

ワインに氷をいれるのは不適切か?!

先日あるテレビ番組でタレントの方が、白ワインに氷を入れて飲んでいました。
とても美味しそうに・・・。

ワインに携わっている人からすると「!」と驚くかもしれません。
造り手の想い、ぶどうの個性、醸造のうまさ・・・あーもったいない、と思うかもしれません。
でもこれって「不適切」でしょうか。

私は、自分で楽しんだり、カジュアルなパーティなどではアリだと思います。
本来は、ワインを適切な温度に冷やして飲むのが美味しいとされていますが、
暑い日や、すぐ冷たいものを飲みたい、といった場面では、
氷を入れたほうが美味しいのであれば良いと思います。

 

入口は興味をもってもらうこと

商品を販売する側からすると、常識であることも、その世界を知らない人たち、生活者にとっては
こうでなければならない、ということがわかりません。
ワインの世界は特に、難しそうでよくわからないとか、
何か特別なものといった印象を持たれていると思います。

もし普段あまりその商品をつかっていない方に良さを伝えたいなら
「興味をもってもらうこと」を提案してみるのも一つの手だと思います。

「これ美味しそう、食べて(飲んで)みたい」
「これ試してみよう」
と思ってもらえるしかけです。
難しくいうと「新規顧客を獲得する」、「新しい人に来てもらう」ために何をするか、です。
お客さんが興味を持ちそうなことはなにか、気軽に試してもらうには何がいいか、
考えて実行するしかありません!
ワインの場合ではどうでしょうか。よく店頭で、新規のお客さんを広げるときに実施するのが
試飲や試食です。まずは試してもらうのが一番です。
ただし、お酒類は飲酒運転や未成年飲酒防止の観点から、試飲は基本的に実施できません。
自宅で簡単にできそうなことを伝えるのも一案です。

 

楽しみ方を伝える

ワインやウイスキー、日本酒などのお酒は、売る側と消費する側の情報の差があります。
つまり、お客さんが知らないことが多いのです。
加えて、業界の常識に縛られて?香りとか醸造方法、熟成、気候とか
どうも難しいことを言ってしまいがち・・・ではないでしょうか。
自分たちが、生活者としてどんな楽しみ方をしているか、
あるいは海外ではどんな楽しみかたしているか?
など利用する、消費する側の視点で考えてみるといいかもしれません。
要は、こんなことしたら楽しいよ、というのを考えてみることです。

最初の話に戻ると、「ワインに氷」は、
甘口ワイン、スパークリングワイン、ロゼワインなどだとアリだと思います。
スペイン地方でよく飲まれている「サングリア」もこれに似ています。
 ※サングリア ワインカクテルの一種で、ワインにフルーツやスパイスをいれてつくる飲み物
氷を入れることを勧めるのではなく、”こんな楽しみ方もあるよ”と教えてあげるイメージです。
料理と一緒に提案したいです。
私がワインに興味を持つきっかけになったのは、実はこれで
あるパスタのお店で、その店の名物のスープパスタと白ワイン(氷入り)をお勧めされてから
なんておいしい組み合わせなんだ!とハマり、家でもまねするようになったんです。
その白ワインは今は日本に輸入されていない「ヤーゴ」という甘未果実酒です。
何回か試すうちに、白ワインのバリエーションが増えていき、
普通にいろんな白ワインを飲むようになりました。

これはあくまで例です。
自社の商品で、こんな楽しみ方もあるというのを考えてみると面白いと思います。

目的は「新しいお客さんに興味をもってもらう」ことです。

日に新たに、日々に新たなり

<最近楽しんだワイン>
・南アフリカ「DE GRENDEL」2023 rose
・安心院ワイン「Albarino」2022
・シャトー酒折「Barrel Aged 」Syrah 2021