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花屋さんの顧客拡大から学ぶこと

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最近、ユニクロでよく花を買います。1束390円でとてもお買い得感があります。
多くの花屋さんはコロナの影響を受けていますが、最近の試みから学べることがあります。

 

新しいお客さんを取り込む動き

花屋さんには多くの切り花が売られています。
記念日のプレゼントや花束などを求めて買うことが多いのではないでしょうか。
今、いくつかの生花店で普段の生活の中でお花を楽しんでもらいたいという試みがされています。
コロナによって生活スタイルが変化していますが、在宅時間が長くなり
DIYなどもそうですが、家の中を心地よい空間にしたいという人が多くなっています。
ある調査によると花屋さん(以下、生花店)を主に利用している年代は、
60代女性(24%)、50代女性(18%)、そして60代男性・40代女性(14%)となっています。
半年に1回の利用頻度が高い結果となっており、調査結果からだと日常使いは少ないといえます。

 ※花屋さんの利用状況

J-Net21 市場調査データ(花屋)より抜粋

 

既存のお客様が、50-60代の女性、男性とするならば
新規のお客様はもっと若い世代の方を増やしていく必要がありそうです。

 

最初に考えることは何か

日経MJの記事によると千葉県のある生花店では、
20代の若者にむけて、品揃えや店内の雰囲気など変えたといいます。

仏花より、アレンジメントや季節の花、ドライフラワーなどを増やしたそうです。
また若者が楽しんでもらえるようフォトスポットを作ってSNSで発信しやすいようにしたとのこと。
このお店が上手くいったのは最初に、ターゲットに合わせて商品(品揃え)、価格、プロモーションなどを
うまくアレンジした点にあると思います。
よくありがちなのが、若い人向けに売りたいからネット販売をしようとか、
やっぱりSNSを使って載せないとなど
手法に走ることです。
もちろんこれらも大事な活動ですが、顧客を広げようとするならば、先に考えることがあります。

 

 ・誰に:新しくきてほしい顧客像(具体的に)
 ・何を:その人たちはどんなものを欲しがりそうか、普段どんな暮らしをしているか
 ・どのように:その人たちに向けた伝え方はどうなものがいいのか

 

推測ですが、その生花店では、20代若者といっても、例えばカップル向けとか、男性向けに
買ってすぐ飾れる花とか、おしゃれな組みあわせの花、少量でも飾れる花束
などを、店内に入りやすく、写真を撮りやすく工夫したのではないでしょうか。
このように、「誰に・何を・どのように」、コンセプトといいますが
具体的なお客様に向けて考え、実践することが、その顧客に響くコツといえます。
順番を間違えてはいけません、目先の手法ではなく、まずはコンセプトを考えましょう。
ターゲットが違うと見せ方や伝え方は異なるはずです。

 

顧客生涯価値を上げる

生花店の試みは、普段使いしてもらうことですが、
顧客の生活に自社の商品や製品を取り入れてもらうことが安定した売上をつくることに繋がります。
これは「顧客生涯価値(Lifetime Value)」という言葉で表現されます

 

生涯顧客価値とは顧客が商品やサービスを使い続ける可能性を表し、
顧客が企業にもたらす価値(利益)のことをいいます。
身近な例だと、スーパーの会員ポイントカードや航空会社のマイルなどでしょう。
いかに継続して使ってもらうか、来店してもらうかという視点です。
昨今トレンドになっているのが、サブスクリプションです。毎月定額で利用できるサービスで
日用品や食品だけでなく、飲食店の生ビールやシャワーヘッドまで幅広くなっています。

 

生花店でもサブスクリプションサービスがあり、毎月定額で生花が楽しめるサービスが広がっています。
面白いと思ったのが、一輪挿しに特化しているものです。
日比谷花壇さんで月額1,085円で月6回、店頭で好きな花を一輪もらえるというもの。
一輪でもいい、どう飾っていいかわからないといった声に応えています。
若い人向けにぴったりのサービスだと思います。
サブスクを勧めているのではありません。
いかにリピート客になってもらうか、長い期間利用してもらうか、という視点が大事ですということです。

 

以前、友人に花びんをプレゼントしたことがあります。その時に言われたのが
花をどう活けていいかわからないということでした。
生花店の人や華道をしていた人など普通のことでも、普段から花をさわっていないとわからない、
当たり前のことですが気づきでした。
花を利用する世代を広げるということは、花そのものを売るのではなく
自宅での楽しみかた、挿し方、活けるものなど丁寧に伝えることが
日常使いを広げる、つまり顧客生涯価値を上げる、
顧客の利用頻度や利用期間を長くすることに繋がると言えます。

 

生花店を例にだしましたが、新規顧客を広げたいときに参考になればと思います。

 

日に新たに、日々に新たなり

 

 

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