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衛生管理ー食中毒について

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寒い日が続きますが、冬だからといって食中毒は起こらないと思っていませんか。
2020年6月より、改正食品衛生法が施行され、原則すべての事業者に 
「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理」が制度化されます。
1年間の猶予期間は2021年6月までとされています。
まずは、食中毒について書きたいと思います。

食中毒の原因

食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です。
細菌は温度や湿度などの条件がそろうと食べ物の中で増殖し食中毒を引き起こします。
一方、ウイルスは食べ物の中で増殖しませんが、
食べ物を通じて体内に入ると、人の腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。
細菌が原因となる食中毒の代表的なものは、腸管出血性大腸菌(O157、O111など)や、
カンピロバクター、サルモネラ属菌などです。過去の食中毒の主な原因では、
O157は生レバー刺しやローストビーフ、カンピロバクターは鶏肉など肉類、
サルモネラ菌は、牛豚鶏など食肉や鶏卵などから起こっています。
一方、ウイルスが原因となる食中毒は代表的なものでノロウイルスがあります。
調理者から食品を介して感染する場合が多く、牡蠣などの二枚貝に潜んでいることもあります。
ウイルスは低温や乾燥した環境中で長く生存するので、実は冬場の発生が多くなっています。
例えば冬の牡蠣は、旬で美味しいのですが、食中毒になったニュースを見たことがあると思います。
冬は寒いから・・・と安心してはいけません。
細菌やウイルスは目に見えないものですので、原理原則に則り対応する必要があるのです。
参考:厚生労働省ホームページより

食中毒の3原則とは

「つけない・増やさない・やっつける」 これが食中毒の3原則といわれています。
①つけない
昨今のコロナウイルス感染症拡大により、”手洗い・うがい・マスク着用”が励行されていますが
手には様々な雑菌がついています。また、調理器具にも菌やウイルスが付着することで
そこから食べ物が汚染されるのです。
調理する際には手を洗う、生の肉や魚を触る前後、お手洗いにいった後なども必ず手を洗います。
生の魚や肉を切ったあとの調理器具は、都度洗い、殺菌をしましょう。
つい同じ包丁やまな板を使いがちですが、そこから生で食べるサラダ用の野菜を切ったりすると
その野菜に原因となる菌やウイルスが付着していまいます。
②増やさないー温度管理を徹底する
私が”ウエルシュ菌”を初めて知ったのは、映画「のだめカンタービレ」を見たときです。
のだめが作ったカレーを食べたフランス国立高等音楽院の友人が、
大事なオーデションの最中にお腹を壊し、大変なことになるというシーンがあります。
この原因となる菌が、”ウエルシュ菌”なんです。
この菌は加熱をしても死滅しない菌で、常温では爆発的に増殖します。
カレーは一晩寝かせるほうが美味しいと言われて育ち、一旦煮込んだら常温で保存していました。
これを知ってからは恐ろしいことをしていたなと実感し、すぐ冷蔵するようになりました。
菌の増殖を防ぐには、温度管理が重要です。
一般に 10℃から60℃の間は「危険温度帯」と呼ばれ、この温度帯に食べ物を置いたままにすると、
その細菌はぐんぐん増えてしまいます。
食品原材料や調理品をこの温度帯にとどめないようにしなくてはなりません。
③やっつける
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。
肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。
一般的には中心部を75℃で1分以上加熱することといわれています。(例外もあります)
ふきんやまな板、包丁などの調理器具も洗剤で洗ったあと、熱湯で消毒するなど殺菌が必要です。
飲食店ですと、この「つけない・増やさない・やっつける」3原則を
材料の仕入れから調理、保存、提供まで、具体的に実行することになります。
冒頭で述べた「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理」というものですが、
これについては、近日中に書きたいと思います。

食中毒を防ぐポイント

飲食店で食中毒を防ぐポイントは、大きくわけて、温度管理・体調管理・きれいにすることだと考えます。
温度管理は、食材や調理品に合わせた温度管理と時間管理、
体調管理は、調理する人自身の健康管理、手洗いの実施
きれいにするとは、5Sの実行です。
5Sとは「「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の頭文字のSをとったもので、
 整理ー不要なものを捨てること
 整頓ー使いやすく並べて表示をすること
 清掃ーきれいに掃除をしながら、あわせて点検すること
 清潔ーきれいな状態を維持すること
 しつけーきれいに使うように習慣づけること
という意味があります。お店全体、組織全体で取り組む活動です。
なんとなくイメージしていただきたいのは、キタナシュラン的なお店です。
決して否定はしませんが、風情があることと衛生的なことは分けて考える必要があります。
衛生管理については、一度に書ききれないので、何回かに分けていきます。
コロナ禍の今こそ、衛生管理に取組む良い機会です。
お客さんに安心して食べていただきたいですよね!

参考:厚生労働省ホームページより
新たにテイクアウトやデリバリーを始める飲食店へむけたチラシ

●編集後記
飯田橋に用事があったので、その足で昔ときどき行っていたビストロでランチをいただきました。
ゴボウのポタージュや、白菜と人参のサラダ、白身魚と穴子のソテー・・・コーヒーもついて
大満足のランチでした。
●今日のNEW!
春になって、外出することを楽しみにするようなジャケットをぽちりました。
紺と白のボーダーが好きなんです。働くぞー!と。
日に新たに、日々に新たなり