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値引き販売の見せ方を変えてみる

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「食品ロス」は時代の流れに乗る

先日ある事業者さんと話をしていて、食品のギフトセットが
半額近い値段で販売されていてびっくりしました。
理由をうかがうと、そうめんやコーヒーなど比較的賞味期限の長い商品を
自社がもっている仕入れルートから安く仕入れることができると聞きました。
長年の付き合いの部分と、現金で支払うことでその仕入れを実現されているようでした。
これは個々の商売のやり方なのでいいのですが、
お客様へのアピールの仕方が気になりました。
中元ギフトの特設サイトには「最大50%引き」とか「赤字覚悟の…」といった表現がありました。
これは、少しでもお得な価格で購入したい層には響く言葉だと思います。
でも、なんかもったいない、と思いませんか。
本来なら、メーカーや卸売業の”出荷期限”や”小売店の入荷許容期限”*を過ぎてしまっているため
廃棄されることになるものを、まだ十分おいしく食べることができるから
販売しているものです。
*1/3ルール・・・流通業の慣習で製造日から賞味期限までの期間を3等分して
納品・販売期限を設ける「3分の1ルール」のこと。
賞味期限まで日数があるにも関わらず出荷したり、販売したりできなくなり廃棄となってしまう商品が多くあります。
そう、最近話題になっている「食品ロス」に貢献しているのです。
国際連合食料農業期間(FAO)「世界の食料ロスト食料廃棄」に関する調査研究報告(2011)によると
世界で1年間に生産される食糧は約44億トン。
そのうち約13億トンが廃棄されているとあり、年間約1/3の食料が廃棄されています。
メーカー側からすれば、在庫を少なくしたいということですが、
見方を変えれば、世の中に貢献しているのではないでしょうか。

お客様に理由を説明する

環境に対する意識はここ数年で変化しており、特に10-20代を中心に意識が高まっています。
世の中に貢献しているという実感が伴うと、消費に結びつきやすいのです。
上記の例は、価格が安くなりますが、例えばフェアトレードのコーヒー豆やチョコレートや
地域のものを使った商品などは、少し価格が高くても購入したいという人がいます。
これは、自分が消費することで、社会に貢献しているという実感が伴う点も大きいと思います。
つまり、「この商品は、賞味期限があと1年くらいあるけど、通常販売されているものより
短くなっている(でも1年ある!)。でも十分おいしく食べられます。どうですか?」と
ちゃんと伝えればよいと思います。
単に価格がお得、だけでなく、なんでこの価格なのかをちゃんと伝えること。
お客様が納得(同感)してもらい、買っていただくこと、大事です。
お店の印象も随分変わるのではないでしょうか。
安売りではなく、MOTAINAIと社会貢献。
買う理由を説明する、別の例もあります。
あるパン屋さんで、少し焼きすぎてしまった商品を、それまでは廃棄してたそうですが、
「少し日焼けしてしまったんですが、味は同じです」というコメントと
日焼けしたイラストをつけて、販売したところ、全部売れたのです。
今まで廃棄していたのがもったいなかった、と事業者さんがおっしゃっていました。
商品も見せ方を変えると今までと違うお客様が
買ってくれるかもしれません。
日に新たに、日々に新たなり
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